佐賀県民謡「松浦潟」が歌われだした時代背景や歌詞、歌い方を解説しています。
松浦潟の歌詞
松浦潟 誰を待つ身か忍ぶ身か
何に領巾ふる作用姫か
わたしやチラリと一目でも
虹の松原たよたよと
エエコノわたした 橋じゃえ~
舞鶴の 羽に身を借る夏の空
雲の浮岳松浦川
わたしやチラリと一目でも
波の高島末かけて
エエコノ涼しい 晴れじゃえ~
玄海の 島は烏帽子に沖ノ島
鯨潮吹く小川島
わたしやチラリと一目でも
せめて姫島小呂の島
エエコノ夜明けの 霧じゃえ~
つはものの 夢も名護屋の麦の秋
帆かけた船か遠凪か
わたしやチラリと一目でも
兎にも松風さわさわと
エエコノ鳴らした 城じゃえ~
松浦潟の背景と唄い方
佐賀県唐津市に天然記念物に指定された虹ノ松原があります。この景観を一目見ようと訪れた北原白秋と町田佳肇はあまりの素晴らしい景色に魅了され、恋焦がれた作用姫伝説に感嘆し、この松浦潟を二人で作詞作曲しました。歌詞をご覧になればわかるように、一番は作用姫伝説を唄い、二番以降は松浦潟の観光も交えて感じたことを綴っております。日本舞踊でもしっとり踊られる曲として全国に広まっています。
この唄はどちらかといえば女性唄ですが、男性にもおすすめの民謡です。
上手に歌うコツは、全体をやさしく発声しましょう。一番は恋をしている作用姫の心情を思い浮かべてください。
出足から、「まつらがた」の「ま」は「はっきり大きく発声」する。
赤い小文字は母音です。母音を忘れずに発声します。
一小節ごとの最後の句は伸ばさないように。