福岡県久留米市でよく唄われるお座敷唄です。曲名は「ソロバン踊り」とありますが、この由来は「久留米機(はた)織り唄(うた)」を元曲にしたような女工哀史的な影はありません。
久留米といえば「久留米かすり」がよく知られており、久留米絣(かすり)は大規模な工場で織られたものではなく、農業との兼業による家内制手工業で織られたものです。
この曲は女性がよく唄っていますが、男性が唄うとまた違った艶のあるお座敷唄となる。
この唄のポイントは『あたしゃくさいの 久留米の日ばた織りでございますもんの』で始まる「語り部」部分です。
久留米の方言で語るイントーネーションは難しい反面、きっちりこなしすことができれば聞く人を魅了するから面白い。
「久留米そろばん踊り唄」は戦後、筑豊出身の赤坂小梅のレコードによって知られるようになるが、土地の風土がじっくり唄いこんだというよりは商業ベースの唄になっている。
やっぱり地元の人が唄うほうが味がある。
久留米ソロバン踊り唄
あたしゃ久留米の 機織り娘よ
化粧ほんのりい 花なら椿よ
『あたしゃくさいの 久留米の日ばた織りでございますもんの
あたしがっさい 日ばたば織りよりますとっさいの
村の若い衆が来て遊ばんの遊ばんのち 言いますもんのと
一緒に遊ぶとはよかですばってん
日ばたがいっちょん 織れまっせんもんの』
惚れちゃおれども まだ気がつかんかね
♪あたしゃ年頃 機織り娘よ
赤い襷に 姉さんかぶりよ
『あたしゃっさいの 久留米のひばた織りでございますもんの
あたしがっさい日ひばた織りよりますとっさいの
村の若い衆が来て 嫁に欲しか嫁にほしかち言いますもんの
嫁に行くとはよかですばってん
まだまだつぼみで下りたかですもんの』
その場限りの浮気は御免だよ
筑後酒造り唄・久留米ソロバン踊り唄コンクール
毎年5月にコンクール(入場無料)が行われ、全国から200m人を超える参加者が自慢の喉を競っています。
場所:久留米市城島総合文化センター インガットホール
所在地: 〒830-0211 福岡県久留米市城島町楢津1−1
電話: 0942-62-2110
【プログラム】
午前:筑後酒造り米洗い唄(予選)
少年少女の部(予選)
久留米ソロバン踊り唄(予選)
午後:筑後酒造り留搗唄(予選)決勝
久留米のそろばん踊り動画
久留米市とは?
福岡県久留米市は九州一の大河「筑後川」をはさみ筑後平野が連なる町に商業・農業も町として栄えてきました。地元の人が愛して育てた文化芸術は町の発展に欠かせない存在となっています。
江戸時代は久留米絣が産業の一翼を担っていましたが、大正・昭和に入って石橋家が創業したブリジストンタイヤが産業の主流を占めるにいたり、近隣県からの出稼ぎ人口も増えて、久留米は市制されていきました。
また久留米は医学が盛んな町としても有名で、全国トップレベルの医師数と医療機関が集積した高度医療都市であり、最先端のがんワクチン研究などバイオ産業の集積も進んでいます。また、農業産出額が全国トップクラスと福岡県内最大の農業生産都市でもあります。
久留米市には、明治から大正時代にかけて、青木繁、坂本繁二郎、古賀春江といった近代日本美術を代表する洋画家が生まれ、近年では、久留米ふるさと特別大使の田中麗奈をはじめ、松田聖子、藤井フミヤ、中村八大など多彩で有名な人材を輩出しています。また、絵画・書道展などの美術展、合唱・吹奏楽・オーケストラなどの音楽公演といった、市民の文化芸術に関する活動も盛んで、個性と魅力あふれる文化芸術の土壌豊かな「芸術のまち・久留米」として知られています。出展:久留米市役所
祭りやグルメ
久留米は豚骨ラーメンが発症の地として有名で市内の至るところに豚骨ラーメン店があります。また筑後川や筑後平野といった自然環境は米を美味しく育て、日本酒を作る蔵もあります。
久留米ソロバン踊りの他に、筑後酒造り唄もNHKのど自慢大会でも優勝して一躍有名になりました。
おいしいうなぎ料理も有名です。