南部俵づみ唄の歌詞
(前唄)
ハアー 春の始めに この家(や)旦那様サ
七福神のお供してコラ
俵積みに参りた
ハアー この家旦那様は 俵積みが大好きで
お国はどこかとお聞きあるコラ
私の国はナァーコラ
出雲の国の大福神
日本中の渡り者コラ 俵積みの先生だ
(本唄)
ハアー この家旦那様の お屋敷おば見てやれば
倉の数が四十八コラ
いろは倉とはこのことだ
一の倉は銭倉コラ 次のお倉は金(かね)倉で
次のお倉は宝倉コラ 次の倉から俵倉
俵倉には米を積みコラ
七万五千の御俵をば七十五人の人足で
大黒柱を取りまいてコラ
栓戸から千石 窓から万石
ヤッコラセーの掛け声でコラ
棟木までよと積み上げた
さても見事に積み上げたコラ
おほめ下され旦那様サ お祝い下んせ母(かか)様
ハアー めでたいなめでたいな
この家旦那様は百万長者と申される
(ハアー目出度い目出度い)
南部俵づみ唄の背景と唄い方
南部藩の農家には門付け芸人がよく訪れ、豊作を願って唄われた唄が定着して、替え唄になり今の歌詞になったようです。米俵を積み上げる俵積み芸は家運繁盛のお祝い唄として現在に継がれています。民謡出身歌手の香西かおりさんや福田こうへい、丘みどりさんがステージでもよく唄っています。
前唄と本唄もメロディーは同じです。
歌詞は物語の抑揚をつけて唄っていきます。特に「栓戸から千石 窓から万石ヤッコラセーの掛け声でコラ 棟木までよと積み上げた」という箇所は、メロディーが変わります。本当に米俵を積み上げているように威勢よく「ヤッコラセー」と唄いましょう。