かもめは全国の漁港や海岸に多く見られます。例えば鰊漁が盛んだった北海道や、青森県の漁港などに群集していました。そのため昔から漁師たちとの馴染みが深く、「かもめ」が民謡の歌詞に多く登場しています。例えば「江差追分」「ソーラン節」「道南口説」「八戸小唄」や宮城県の「釜石浜節」福島県の「新相馬節」千葉県の「木更津甚句」新潟県の「越後追分」など等。かもめは全国の漁港でも見られるものですが、民謡においては太平洋側に沿った青森、岩手、宮城、福島、千葉県、日本海側では新潟まで、これから南へ下がると関東、中部、近畿、九州までの民謡には「かもめ」が登場する民謡は一曲もないのが不思議なくらいです。
菊池淡狂書の民謡百景によれば、かもめ類の繁殖地は北方に多く、そのため行動範囲が北日本に多いためといわれますが、西日本によく見られれる姿が優美なユリカメモ」など西日本の民謡にかもめが少ない理由がわからないと記されています。では、民謡によく登場するかもめの種類は何かといえば「江差追分」に出てくる「シロカモメ」だそうです。
北海道の江差町には「かもめ島」というのがあります。地元の小中学校でも「江差追分の歌い方」練習があるくらい地元に愛されています。
江差追分の歌い出しにも「かもめ~~」と出てきますが、この歌い出しが「なかなか難しい」ですが、この唄を攻略するのはやっぱりこの歌い出しですね。
そうした「かもめ」たちは、美しく哀愁帯びて表現される一方、ソーラン節のかもめはユーモアたっぷりに表現されいるのがわかります。
一般的に海の鳥は陸の鳥に比べて、鮮やか色身でもなく、鳴き声も美声ではないけれど、生命力は陸の鳥に比べても圧倒的に強くたくましい。そのため上図のように嵐の波上や吹雪の中でも活動しています。こうしたかもめの姿、生命力が厳寒地の北海道や東北の人たちに共鳴されて唄にされたのではないでしょうか。
江差追分会公式 PR動画
(江差追分保存会のHPはこちら)