日本の民謡が生まれた背景や特徴について解説します。
民謡とは?
日本民謡は、全国各地の人々の生活シーンの中で自然に生まれてきた曲です。
日本人は信仰心が深いために、五穀豊穣や無病息災を願うために歌われてきたのも日本民謡の特徴でもあります。
つまり人々の喜怒哀楽を表現するために生まれ、親しまれてきました。
その数は2万曲以上ともいわれ、現在一般的に唄われたり、踊られたりしている曲は、約1000曲くらいになっています。
民謡の演奏は、唄を中心に、三味線、尺八、太鼓、曲によっては横笛、かね、鈴、胡弓などが伴奏楽器として使われております。
また若い民謡歌手が歌う場合は、ジャズバンドのように洋楽器の演奏にのってポップ調に歌うことも多々あります。
民謡の唄の種類
唄の種類は、仕事唄が一番多くて、他には祝い唄・まつり唄、盆踊り唄、恋愛の唄、婚礼の唄、子守唄、お座敷唄など、多種多様にわたっています。
またこうした歌は、地方によっても色々な種類があります。
例えば、仕事唄を分類すれば、
畑や農作業が多い地方では「田植え唄」「麦打ち唄」「茶摘み唄」「粉ひき唄」「酒造り唄」
県境を越えて出稼ぎに行くことが多い地方では、馬子唄、牛追い唄、
山に囲まれた地方では、木こり唄、草刈り唄、機織り唄、鉱山唄、
海に囲まれた地方では、漁師唄
川が多い地方では、船頭唄、筏流し唄、などなど各地の主な産業の喜怒哀楽を歌っております。
こうして分類してみると民謡って、私たちの身近にあるとおもいませんか?
作者不詳の民謡
そして、何よりも民謡の大きな特徴の第一として、こうした唄のほとんどが、いつ誰が作ったのかわからないとう点にあります。
どんな唄や踊りでも必ず歌い始めた人、踊り始めた人がいるはずですが、それがあまりにも多くの人たちに歌われ、踊られたりしているため、いつの間にかわからなくなっています。
これは、民謡という唄が、楽譜がなくて人から人へ口伝えに伝えられてきたことが大きな理由です。
つまり、民謡は口承芸能といわれるのがそこにあります。
口承芸能といわれる民謡のの特徴
1つの唄が、ゴゼさんや、船乗りなどの人々に歌い継がれ、長い距離を移動したりしたことから、少しづつ、少しづつ変化を重ねて、その土地や時代にあった歌詞が新しく付け加えられたり、曲のリズムやメロディーも変化してきました。
「ハイヤ節」「追分」「伊勢音頭」が良い例であって、北海道民謡のソーラン節もそうです。昔は、ニシン漁の時に歌われた仕事唄でしたが、現在ではテレビ、ステージなど様々なシーンで演奏されたり、踊られたりしています。
その昔に生まれた歌や踊りの遺伝子を引き継ぎながら、それぞれの時代、それぞれの地域に生活する人とともに今も変化し歌い継がれているのが、日本民謡の特徴といえます。
民謡は心の故郷ともいわれます。
遠く離れた故郷や父、母、子たちの思いを表現するときに民謡は似合います。
もっともっとたくさんの人に民謡に親しんでもらい、歌って欲しいと思っています。
ゴンちゃんの動画では色々な民謡の歌い方や歴史を紹介しておりますので、ぜひご視聴なさって、民謡を楽しんでください。