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2021年3月13日情報を更新しました
歌舞伎の人気演目「外郎売り」で滑舌をよくする方法をご紹介します。
もしかして、滑舌が悪くて悩んでいませんか?
民謡に限らずどんな歌でもお芝居でも、日常の会話でも滑舌が悪いと色々な面でマイナスです。滑舌が悪いと恋の告白もできずにチャンスを逃がす・・・。
滑舌が悪いために人前に出たくないとか・・・。もうそんな悩みから開放されたくありませんか?
アナウンサーや役者、プロ歌手など、発声を仕事にする人は、滑舌をよくする訓練を受けて練習を怠らず滑舌が上達しています。
では、滑舌をよくすることは難しいことかといえばそうではなく誰にもできることなので滑舌がよくなる方法をご紹介します。
今すぐに滑舌をよくするために役立つ外郎売り
滑舌をよくするには舌や口角の周りを滑らかすれば、話すときや歌うときにも一字一句が聞き取りやすくなります。そのために、舌を滑らかに、口角を柔軟にするために訓練が必要です。
滑舌が悪い人の特徴
滑舌が悪い人の一番の特徴は、声がか細いです。発声が小さく、ボソボソと言葉の強弱がないので、聞き取りにくいです。性格的に気弱な人に多く、相手と話すことに緊張し、恥ずかしいから早く話したりするようなっ人。その一方でせっかちな人にも滑舌が悪い人がいます。つまり「早口」のために「どもったり」します。
こうした人は舌の回転が悪いので、「あいうえお」などの母音をハッキリ出せないでいます。
自分でも滑舌が悪いことを認識している人は、本題に入る前に「あ~」や「え~」というように、前置きをつけます。
それと最後の文字までをハッキリと発声しない。つまり、語尾が消えているような感じですね。
結果的に何を言っているのか聞き取りにくくなります。
滑舌が悪い方は長話が苦手だし、男女間の交際でも引け目を感じるようです。
しかし、悲観することはありません。
滑舌は練習次第では良くなります。なので、こちらに用意している発声練習の資料を元に、ゴンちゃんの動画をみながら一緒に滑舌を良くしていきましょう。
滑舌を良くするためにすぐできる方法
滑舌をすぐに良くしたいといっても、今日、明日、1週間で治るものではありません。ネットでは「滑舌を5分でよくする簡単法」とか動画などもありますが、やりはじめてすぐ5分でよくなることはありません。滑舌を早くよくするには舌を滑らかにし、表情筋を柔らかくする練習法をご紹介します。
こうした練習を日々怠らずに3分でも5分でも続ければ、滑舌が悪い最大の欠点を克服することができます。
練習1:舌を左右上下に回す
まず舌を前歯に置いて、口を半開きにして、右または左(好きな方でOK)から上の歯をなぞるように、左だと時計回りに10回をメドにゆっくりまわします。
10回まわしたら、今度はその反対にまわします。この表情筋を柔軟にするストレチッチを1日3分から~5分やっていきましょう。
最初のうちは口の筋肉が痛く感じますが、それだけ筋肉が固かった証拠です。
練習2:割り箸を使って滑舌をよくする
口角を含めた表情筋を柔軟にするもう一つの方法は、割り箸をくわえて発声する。
割り箸を咥えたらまずお腹に空気を入れて、お腹を膨らます。
そして、お腹に力を入れた状態で「あいうえお」と表情筋を動かしながら発声してみる。
「あいうえお」ができらた、か行、さ行、た行~と順番に発声してください。
また、割り箸をくわえたままで、早口言葉の練習もしましょう。
例えば、「青巻紙赤巻紙黄巻紙」「赤パジャマ黃パジャマ茶パジャマ」「バスガス爆発」「ひげごぼうけごぼうながごぼう」など。
早口言葉集はこのページの下に掲載しています。
滑舌をよくし 早口もスムーズにできる言葉集
表情筋を柔軟にして滑舌をよくするクチの体操(動画)
外郎売の台詞を暗記して滑らかに発音できる練習
歌舞伎で市川團十郎さんが外郎売の姿をして口上を述べる外郎売の長文は、アナウンサーや役者の稽古に定番中の定番です。
外郎売を覚えて発声練習すれば滑舌は良くなるし、早口言葉でもスムーズに発声できるようなります。
※こちらの動画を視聴されながら本文を読んでいきましょう。
この本文を暗記すれば、滑舌はもっと早く上達します。
外郎売り本文段落一
拙者親方と申すは、お立会の中にご存知お方ござりましょうが、お江戸発って二十里上方、相州小田原一色町をお過ぎなされて、青物町を上りへおいでなさるれば、欄干橋虎屋藤右衛門只今は剃髪致して、円斉と名乗りまする。
元朝より大晦日までお手に入れまするこの薬は、昔ちんの国の唐人、外郎という人、わが朝へ来たり、帝へ参内の折から、この薬を深く籠めおき、用ゆる時は一粒づつ、冠の隙間より取出す。
依ってその名を帝より、頂透香と賜る。即ち文字には、「いただき、すく、におい」、と書いて、「とうちんこう」と申す。
只今は此の薬、殊の外世上に広まり、方々に似看板を出し、イヤ小田原の、灰俵の、さん俵の、炭俵のと、色々に申せども、平仮名をもって「ういろう」と記せしは親方円斎ばかり。
もしやお立合の中に、熱海か塔の沢へ湯治にお出なさるるか、又は伊勢参宮の折からは、必ず門違いなされまするな。お登りならば右の方、お下りなれば左側、八方が八棟、表が三つ棟玉堂造、破風には菊に桐のとうの御紋を御赦免あって、系図正しき薬でござる。
外郎売本文段落二
イヤ最前より家名の自慢ばかり申しても、御存知ない方には、正身の胡椒の丸呑、白川夜船。さらば一粒食べかけて、その気味合をお目にかけけましょう。
先ずこの薬を、かように一粒舌の上へのせまして、腹内へ収めますると、イヤどうも云へぬは、胃心肺肝がすこやかになって、薫風喉より来たり、口中微涼を生ずるが如し。魚鳥・茸・麺類の喰合わせ、その外、万病速攻あること神の如し。
さて、この薬、第一の奇妙には、舌の廻ることが銭独楽がはだしで逃げる。ひょっと舌がまわり出すと、矢も楯もたまらぬじゃ。
外郎売り本文段落三
そりゃそりゃ、そらそりゃ、まわってきたわ、まわってくるわ。アワヤ喉、サタラナ舌に、カゲサ歯音。ハマの二つは唇の軽重開合さわやかに、アカサタナハマヤラワ、オコソトノホモヨロヲ、一つへぎへぎに、へぎほしはじかみ、盆まめ・盆米・盆ごぼう・摘蓼、摘豆、摘山椒。書写山の社僧正。小米のなまがみ、粉米のなまがみ、こん粉米の小生がみ、繻子ひじゅす、繻子繻珍。親も嘉兵衛、子も嘉兵衛、親かへい、子かへい、子かへい親かへい、
ふる栗の木の古切口・雨合羽が番がっぱか、貴様のきゃはんも皮脚絆、我ら>が脚絆も皮脚絆、しっか袴のしっぽころびを、三針はりなかにちょと縫ふて、ぬうてちょとぶんだせ、かわら撫子、野石竹。
のら如来のら如来、三のら如来に六のら如来。一寸のお小仏におけつまずきゃなるな、細溝にどじょにょろり。京の生鱈奈良なま学鰹、ちょっと四五貫目、お茶立ちょ、茶立ちょ、ちゃっと立ちょ茶だちょ、青武茶筅でお茶ちゃっと立ちゃ
外郎売本文段落四
来るわ来るわ何が来る、高野の山のおこけら小僧。狸百匹・箸百膳・天目百杯・棒八百本。武具・馬具ぶぐ・ばぐ、ぶぐ・ばぐ、三ぶぐばぐ、合わせて武具・馬具六ぶぐばぐ、
菊・栗・きく・くり・三菊栗、合わせて菊・栗・六菊栗、麦ごみ、麦ごみ、三麦ごみ・合わせて麦ごみ六麦ごみ。あの長押の長薙刀は、誰が長押の長薙刀ぞ。向うの胡麻殻は荏の胡麻殻か真胡麻殻か、あれこそほんの真胡麻殻。がらぴいがらぴい風車、おきゃがれこぼし、おきやがれ小法師、ゆんべもこぼして又こぼした。
たあぷぽぽ、たあぷぽぽ、ちりからちりから、つったっぽ、たっぽたっぽ一丁だこ、落ちたら煮て喰を、煮ても焼いても喰はれぬ物は、五徳・鉄きゅう・かな熊童子に、石熊、石持・虎熊・虎きす、中にも東寺の羅生門には、茨木童子がうで栗五合つかんでおむしゃる。かの頼光のひざ元去らず。
本文段落五
鮒・きんかん・椎茸、定めて後段な、そば切り、そうめん、うどんか、愚鈍な小新発知、小棚の、小下の、小桶に、こ味噌が、こあるぞ、小杓子、こもって、こすくって、こよこせ、おっと、合点だ、心得たんぼの川崎、神奈川、保土ヶ谷、戸塚は、走って行けば、やいとを擦りむく、三里ばかりか、藤沢、平塚、大磯がしや、小磯の宿を七つ起きして、早天早々、相州小田原とうちん香、隠れござらぬ貴賤群衆の、花のお江戸の花ういろう、あれ、あの花を見てお心を、おやわらぎゃという。産子、這ふ子に至るまで、この外郎のご評判、ご存知ないとは申されまいまいつぶり、角出せ、棒出せ、ぼうぼうまゆに、臼・杵・すりばち、ばちばちぐわらぐわらぐわらと、羽目を弛して今日お出での何茂様に、上げねばならぬ、売らねばならぬと、息せい引っぱり、東方世界の薬の元締め、薬師如来も照覧あれと、ホホ敬って、ういろうはいらっしゃりませぬか。