筑後酒造り唄は昭和33年から3年連続してNHKのど自慢大会で歌われ一躍全国的に有名な民謡となりました。
筑後酒造り唄の背景にある福岡県の筑後地方は阿蘇外輪山を水源とする清き水が筑後平野に流れ、おいしい米の収穫も盛んな地域です。
その米を酒造りにいかそうと江戸時代から酒蔵も誕生して発展してきました。
この唄が発症した現在の久留米市には8つの酒蔵があります。機械の製法が盛んでなかった頃には杜氏たちの掛け声とともに酵母の増殖に勤しんでいました。
その仕込み作業(留搗)のときに杜氏の掛け声で米をつくのですが、実際には唄っていません。
こうした作業をモチーフとして作られた唄が留搗唄(とめつきうた)と呼ばれ、唄い継がれて今の筑後酒造り唄になったとも言われる。
画像出典:筑後酒造り唄保存会
筑後酒造り唄の歌詞
エンヤンコラショイ エンヤンコラショイ エンヤンコラショイ
エンヤーレ銘酒ヨー 出る 出る(ハイハイ)
樋口かめに(ハァヨイショ ヨイショ)
エンヤーレ明日はヨー座敷で
ドッコイ花と咲く
(ハァーヨイショ ヨイショ)
エンヤーレ清きヨー 流れの(ハイハイ)
筑後の水で(ハァヨイショ ヨイショ)
エンヤーレ造りヨーあげたる
ドッコイ筑後酒
(ハァーヨイショ ヨイショ)
エンヤーレ今日のヨー 留搗(ハイハイ)
皆良く揃うた(ハァヨイショ ヨイショ)
エンヤーレ秋のヨー出穂より
ドッコイなお揃た
(ハァーヨイショ ヨイショ)
『中の芯木に押立てて良かろじゃ
なっかん ヨーイ ヨーイ ヨイ』※1
※唄う人や教える人によって、一番、二番、三番が入れ替わることもあります。
筑後酒造り唄の歌い方
歌詞を見てもわかるように、酒が出来上がっていく過程から収穫までの喜びを唄っており、やや高音でハリのある歌い方をするように心がけましょう。
お腹から声を出して歌わないと、この唄の魅力は半減します。
節回しの音域は上がっていきます。
音程を下げて歌うと、情けない唄になります。
歌詞の子音には母音を付けて歌うようにします。
例えば「エンヤァァレェー銘酒ヨォォ」というように赤字の部分が母音ですね。このように次の節も同じようにします。
最後の※1印の部分は唄い手もお囃子も同時に元気よくハッキリ語りかけるようにしましょう。