愛妻は僕より9歳年下。
結婚してから30年過ぎた。僕は長年働いたデパートを退職したのが39歳。
それから独立して、食うに食えない時代に、ひょっこり出会ってからの付き合い。
彼女と出会ってから、それまでのどん底生活から急転して人並み以上の生活ができるようになった。
僕には空気のような存在なので、どこに行くにしても一緒が多い。
全然イヤにもならないけど、妻はどう思っているか知らない。
まあそれはそれでいいとして、年末になると例年、二人で忘年会だ。
いつもなら天神で食事をして中州で飲んでのパターンが多かったが、今年は僕自身が前立腺がんを患って、あんまり出歩く気分にもなれなかった。
それで今年は自宅の近所にある居酒屋「芯」で過ごした。
ここは玄界灘の魚介類を食べさせてくれるし、若大将が日本酒にこだわりをもっているので、いつもおすすめの日本酒を飲ませてくれる。
自分は生魚が苦手なので、こうした煮つけはなんとか食べられる。妻は刺身でもおいしそうにパクパクするがね・・・
まあ夫婦の会話となると長年連れ添っているだけに、洒落た会話もないが、昔話にはよう花が咲く。
ミカン箱をちゃぶ台代わりにして晩御飯を食ったことや、長男の臨月が近いのに一緒に宅配を手伝ってくれたりしたことも。
とりとめのない話をボソボソしながら、酒を酌み交わしたり夜長はジワジワと続く。
お互い顔を見合わせて、増えてきた白髪とシワを数えるわけでもないが、お互い言いたいことを言い合う。
よう30年も続いたと我ながら感心する。
前立腺がんの数値も正常値内に下がって、かかりつけの院長も喜んでくれた。
来年2019年は僕自身6回目の年男だ。
健康のありがたみを教えられた1年だった。
何かと気をつかってくれる女房に面と向かって「ありがとう」を言えないので、ここで「ありがとう」を言っておこう。